My roll on the show: CG Supervisor, lighting/lookdev lead
What I did:
- Supervision for cross cite and cross all department activities
- Supervision for all assets
- Review and assign tasks based on artist skills/abilities
- R&D and develop new tools and workflow to create complex assets and shot.
- Organizing and optimizing pipeline with TDs
- Shot lighting
Production credits:
CLIENT :
Director : Zhang Yimou (チャン・イーモウ監督作品)
Interview and Making of VFX at Art of VFX
SHADOW: NIKOS KALAITZIDIS – VFX SUPERVISOR – DIGITAL DOMAIN
Golden Horse Awards 2018: The Oscar of Asia, Best Director, Best Visual Effects
チャン・イーモウ監督の映画「影」。中国では2018年9月にすでに劇場公開されたようですが、2019年2月現在、少なくとも北米と日本ではまだ公開されていないようです。僕は以前からこの監督のファンだったのですが、まさか同じ仕事を担当する機会が訪れるとは思ってもいませんでした。20年近くCGをやって来ましたが、頑張って続けて来たことが、思いもよらないことに繋がっていくことがありますね。この映画の公開規模がどの程度になるのか分かりませんが、個人的に映画館で観るチャンスがあると良いと願っています。
さて、今回デジタルドメインは村人たちが鉄の刃を持つ傘で坂を滑り下りて行く一連のシーケンスを60ショットほど担当しました。この仕事ではおよそ300人ほどのデジタル・ダブルが上下の鉄傘に挟まれて滑り下りて行く様子をCGでシミュレートする必要があったのですが、直前に制作を終えていた映画「レディ・プレイヤー・ワン」で使った手法がそのまま使えそうだったので、前作同様、今作でも一緒に仕事をすることになったアニメーション・スーパーバイザーと、ほぼ同じワークフローを取り入れました。
何種類かのアニメーションパターンをクロスシミュレーションやヘアーシミュレーションとともにライブラリー化し、それらをプロキシーとして大量に坂を下るように配置した後、エフェクト・チームが大量の弓矢、水しぶき霧などの要素をシミュレーションしました。
メイキングにあるように実際に坂や村の一部をセットで撮っておいてくれたお陰で、VFXは非常にやりやすかったですね。結局坂道はもちろん建物等、多くをCGで置き換えることになったとはいえ、それでもセットで実際に撮ると撮らないとでは作業の難易度が随分変わって来ます。なんと言っても最終的に必要なもののデザイン、質感、ライティング、モーション・ブラーの強度など、撮影していなければ想像やデータに頼る以外にない部分に関しても、確信を持てるわけですから。
今回はデジタルドメインのオン・セットチーム(撮影現場で必要な素材、データ等を収集するチーム)が現場に行けませんでしたから、撮影時のリファレンスやデータ取りを完全に任せてしまう形になってしまい、作業の難易度もあって若干不安でした。しかしこの監督の撮影チームはさすがにとても腕が良いのでしょう。撮影時に撮っておいて欲しいリファレンス要素を、撮影現場から素早く送ってくれました。撮影プレート自体も素晴らしく、そうなるとアーティストたちの気持ちものって来ます。
この仕事は規模が小さかったこともあって、僕も通常のCGスーパーバイザーとしての仕事だけでなく、ルック・ディベロップメントとライティングのリード・アーティストも兼任しました。プロダクションからのリクエストがあったからですが、腕の良いアーティストたちに恵まれたお陰で、多くを任せることができ、終始安定して仕事を進めることができました。
作業量が少なかったこともありますが、このチームはあらゆる部門に隙が少なく、チームとしてやるべきことをきちんとやって、全く何の不安もなくスケジュール通りに仕事を終え、作品自体も中国の大きな映画祭でビジュアルエフェクト部門の大賞に選ばれるなど、全く良い記憶しかない作品でした。